御府内八十八ヶ所巡り 平成二十八年五月 四
五月十八日
静岡に行った次の日は疲れが残っていて動けないのが当然であったが、その次の日もその次の日もなんだかやる気がわかなかったので、天気が良いということもあり、急遽、日野市に向かうことに決めた。
パンを齧って朝食を済ませ、思い立ってから1時間半後の8時には出発出来た。22キロの行程を徒歩で。雨が上がったので、久し振りに気分がよく、見慣れた光景を通り過ぎながら目的地に向かったのであるが、最初ゆっくり歩き過ぎてなんと着いたのは13時を過ぎていた。5時間掛かってしまった。最初はよかったのだがその頃には足があっちこっち痛くてもう限界だった。途中、小平の駐屯地の門柱の写真を撮っていると警備員が撮るなと大声で叫んだ。これだけ町中にある駐屯地で撮るなとは理にかなっていないと殴り込もうと思ったが、すでに十キロ以上歩いていたのでそんな気にならなかった。とにかくいまだにああいった人間が警備をしているのだから本当の有事の時にいったいどうなるのだろうかと心配になってくる。それから国立まで長かった。多摩川を超えた後さらに長く感じ、目的の場所を少し超えて東武動物公園に辿り着いた所で来過ぎたことに気付き、公園の入り口の写真を撮って、少し戻って、目的地への坂を登った。
第二十五番所 長楽寺
東武動物公園の横の小高い山にある長楽寺。ここもかなりきれいな場所で移転してきた時に移動したお地蔵さんたちの並びがやたら古い。その中にいつもの様に弘法大師さんが鎮座している。坂を登ったところは行き止まりになっていて柵で閉ざされたその奥は墓所となっていた。左に入ると水子の銅像や朱色の小さな御堂があり、その中に新しめの空海さんがいらっしゃった。とにかくそれ以外、特にお墓は見えない奥の場所にあるため、すごくシンプルに見える。寺務所では住職の奥さん(七十はいっているだろう)が対応にあたってくれて、ここには動物園が出来てすぐの五十年位前に新宿のオペラハウスの辺りから越して来たとおっしゃっていた。御朱印を書いて頂き、おかきの小袋が入ったかわいらしい水子マーク入りの白袋を戴いた。あまりにも疲れていたので敷地内の長椅子に腰かけ、一休み。下に見える緑のたくさん残る風景とモノレールの対比がなかなかの絶景であった。