名水

めいすい

ここ数年の僕は病気のせいもあって飲食にほとんど興味を示さないのですが、水の味はわかるのかもしれません。というのは、生まれ育った場所が全国の市の水道で(町と村は除いて)最もおいしいといわれる地域の一つであるA市だからです。A市の水道は映画で有名なあの山の雪解け水を河川を伝って流れたものを使用していますので、とてもピュアな水です。僕が帰郷した時のオヤジの口癖は『東京の水はまぐねべ(美味しくないだろう)』でした。実は実家のある場所の水源はA市の大半を賄っている河川を源とするものではなく、地下水を汲み上げた小規模の地域を賄うものだったのでミネラルが更に豊富で、子供のころは意識したことがありませんでしたが、大変おいしかったのです。ちなみに実家の水道水で入れた珈琲はどんなに安い市販の物でも別物のようにうまいです。

僕はミネラルウォーターのボトルを買い続けている人の気が知れません。世界中を見渡しても水道水をそのまま飲めるのは日本とアメリカぐらいのもので、アメリカは地域によっては全く雨の降らない場所、例えばロサンジェルスなどは本当に雨が降らないので、飲んでも腹をこわすことはありませんが、かなりまずいです。それに比べ、日本は降水量も多く、国土の70%が森林で急峻な山が多いので河川の流れも速く、純粋な水が得られるのですから、水道水が美味しくないわけがありません。確かに三十年前の東京の水道水は美味しくありませんでしたが、かなり改善されたと都知事が胸を張っています。

さて、僕が現在住んでいる場所は都心から少し離れた埼玉県の某市ですが、歩いて行ける場所に名水が湧き出るところもあり、結構悪くない場所です。それなのに水道水は荒川の水を浦和で浄水し、長い道のりを経て僕の住む市にやって来るのです。僕はアレルギーに効くということでアルカリイオン水の浄水器を長年使用していますので浄水された水道水は塩素の臭いも感じませんし、味も悪くはないと思います。時には水道水をそのまま飲むこともあります。もちろん、塩素の臭いと味はしますが。

とは言うものの、天然水には勝てないですけどね。

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