御府内八十八ヶ所巡り 平成二十八年六月 一
六月十日
日曜日に大学の同窓会があったために中九日空いてしまったのだが、日曜に飲み過ぎたせいで体の回復を待っていたり、梅雨に入ったために天気が悪かったりで日数が経ってしまった。最初に状況がどうであったか記述するが、身体が回復していなかったのかあるいは気温が三十度以上に上がって熱中症をおこしてしまったのか、あるいは今までになく一挙に30km歩いたためか、いろんなところが痛んで二か所お参りするのがやっとで、後は亀戸からまっすぐ帰宅するのみだった。兎に角当日はほとんど動けない状況で、次の日も死んだように動けなかった。
六時ごろ出発し、二時間後の八時過ぎから九時あたりに練馬から目白の辺りを歩いたのだが、練馬辺りで肩が凝ってきた。そこで、ビタミン剤を飲み忘れたのに気付き、足の痛みはなかったのだが何だか体の調子が悪い。案の定目白辺りで脚が痛み出し、まだ半分以上はあるのにかなりきつく感じた。その後、護国寺辺りでいつもの様に右足の土踏まずが痛みだし、(水はけを良くするために歩道が斜めになっているのが何ともきつかった)途中湯島天神で休んだのだがほとんど気休めで、八十八か所巡りで初めての山手線の駅御徒町の駅前の人の多さが気になったのだが、それどころではなく、右の膝の中が痛みだし膝を曲げるとかなり痛く、それから直ぐに左の膝の裏側の筋が吊ったようになり痛くて足を運びづらくなった。もうそれからは隅田川を渡っても何の感慨もなく、ただ目的地までたどり着くのがすべてとなった。
第四十番所 普門院
かなり大きな亀戸天神の隣だと言うつもりでいたのだがなかなかうまくゆかず、やっとのことで辿り着いたのだが、とにかく古いお寺で尚且つ荒れていて、驚いたことに表門の中直ぐ左に伊藤左千夫の墓があり、中はうっそうとした森の様で、掃除をしている様子もなく、道の横に色んな仏のお墓があり、卒塔婆があっちこっちに見られ、ゾンビでも出てきそうな場所だったが、ほとんど疲れ切っていたので、何を感ずるところもなく、奥の、人が住んでいるとは思えない真っ暗な日が当たらない屋敷のインターホンを押したら相当お年のおばあさんが出て来て、御朱印を渡してくれた。幽霊かもしれないと思われたが、やはり疲労困憊していたのであまり頭が回らずに次のお寺に向かった。
第七十三番所 東覚寺
明治通りを挟んですぐにこのお寺はあったのだが、普門院と違って新しくきれいな中規模のお寺でお参りした時はちょうど法要が終わった後の様で葬儀屋が色々な道具を片づけている最中だった。右の寺務所で若いお坊さんに御朱印を書いて戴いたのだが、渡される時に呪文を唱えて戴いた。巡礼を始めて初めてのことだった。これはこれでなかなかいいものだ。苦労して来たかいがあった。
糠漬けのおいしい八百屋さんの前を通ったが、帰るのが精いっぱいと感じて止めてそそくさと帰った。結局ひばりヶ丘の駅からまた歩くことになったのではあるが…。